私は、本年5月の総会において会長に選任されました山本信一郎と申します。東京福井県人会がよりよい会になりますよう微力ながら努力してまいる覚悟ですので、どうぞ皆様のご指導、ご協力を頂きますようお願いいたします。
簡単に自己紹介をしますと、私は昭和25年(1950年)生、今立郡池田町水海出身です。高校は福井市内に下宿して、大学を経て自治省(現在の総務省)に入り、富山県、島根県、岡山県などにも勤務をして最後は内閣府で退官し、その後、宮内庁で8年ほど勤務しました。今は、地方の公共ホールなどの活性化を目的とする財団で、若い職員やアーティストと仕事をしています。
今回、松平前会長のお導きにより県人会に入会し、会の仕事をすることになりまして、人にとって県人会はどんな意味をもつのか、人生を豊かにするうえでどんな役割を果たすことができるのか、今さらで恐縮ですが、自分なりに考えてみました。
ある思索家が言っていますが、自分とは何か、それはまず「顔」だ。何人か並んでこれは誰、自分はこれ、というのは間違いなくわかる。これ以上のアイデンティティはない。ではそれだけがアイデンティティかというと何かもう一つあって、それはその人の思想や考えなどではなく、無意識の中にあるものではないか、という発言でした。私は、この考えに共感を覚えました。そして、その「無意識」には、この世に生まれ育ち、ものごころがつき、成長していく間の、風土、気候、食べ物、言葉などを含めた「ふるさと」が無意識の大事な一部になっているのではないかと思っています。
福井の人と会うと、その大事な無意識が反応し、しみじみとしたなつかしい気持ちになれる、そこに県人会の大きな意義があると感じます。
また、皆なそれほど福井全体のことを知ってはいません。自分の生まれ育った所など以外はほとんど知らないのではないでしょうか。福井のいいところを広く詳しく知ることがふるさとへの誇りにつながるはずです。県人会では多くの話を聞き、見聞をひろげる場とすることができるのではないでしょうか。
福井のことをよく知ることができれば、北陸新幹線が敦賀まで開通したことでもありますから、友人や仕事関係の人、近所の人などに、自信と誇りをもって、ぜひ福井に行ってみてください、とおすすめができるように思います。心から福井をおすすめすることで福井のお役に立てるのではないかと考えます。
令和六年十月吉日
東京福井県人会 会長 山本 信一郎